「地域経済史」とは?
「地域経済史」という言葉について研究者の間で明確な共通認識があるとは言えませんので、ここでは本研究室が考える「地域経済史」について説明しておきます。
本研究室の言う「地域」とは、農村集落のような”local”な規模から、日本で言えば都道府県レベルの行政単位やそれらが複数集まった規模、また国境を越えた広域な”regional”な規模までの地理的範囲を想定しています。
「経済史」である以上、生産や消費という現象に着目するのは当然ですが、そうした活動に関連する文化や技術、社会、思想などの要素も研究対象として重視します。
研究手法としては、統計や各種公文書、経営資料、メディア資料などの文字資料を用いた「文献史学」だけではなく、聞き取り調査などによる「口述史研究」も取り入れます。
人々の”local”な生活と”regional”な現象や構造がどう関係し合ってきたのかを明らかにすることが「地域経済史」の目的です。